健康診断から示される健康評価の視点
前回はKAZ健康院についてふれましたが、疾病と健康をどのように捉えるかという概念が示され、具体的な形として示された事例として紹介してみました。そこでは健康者の健康診断データにファジー推論を使って評価するシステムが導入されました。
その基本理念構築に奔走したのは、立ち上げ企業の直接担当者であった茂木和男氏・平嶺健二氏でした。
他方、1989年の日本産業衛生学会に「検査成績の長期間観察による個体内変動の検討、野田治代・福田笑子・鷲崎 誠」の報告がありました。職場で働く健康者のデータからの知見です。
これに茂木和男氏・平嶺健二氏が注目し、ファジー推論(医師の医療診断判定知識をコンピュータ化する時の理論→→人工知能)を使って評価するシステムへの活用が試行されました。加えて産業医の鷲崎誠医師の協力や大島清京都大学名誉教授の支援も多大な貢献となりました。
これは、KAZ健康院開設より前の1992年3月20日、朝日新聞に「健康診断は“ファジー”に」と経済面の報道で紹介されて、企業の健康管理センターなどへの導入も多々ありました。
しかし、健康診断結果を健康視点から明確に評価することへの確立の壁が高く、疾病(病気)の視点からの判定が中心の状況が続きました。当時、健康の評価への確かな評価尺度が広く認められない時代でした。
当時、関わった人々は「時代的に早かった・早すぎた」との思いを語っていますが、医療費増大は先ず健康についての取り組みが先決で、
健康学の確立が待たれます。
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