健康診断で内出血のクレーム増加へ提案
会社の健康診断(以下健診)は、年間スケジュールに組まれているのがおおかたと思います。若い世代の方々には一部真剣に捉える人も見られますが、中高年世代に比べ関心が低いのは当然です。
この頃、外部健診機関でこの若い世代の健診について、厳しい現状が報告されています。健診の長い歴史の中で、採血に関するクレームの増加があるようです。採血した部位が赤紫色に見える内出血があります。 採血者の技術が問題とされクレームが起こるわけですが、とに角ミスとして捉えられるわけです。
「健診モンスター」と呼ばれるような不幸な方向に行くことを危惧しています。
さて、クレームが持込まれるところとしては
① 健康管理担当の看護職や産業医へ
② 会社の人事部や総務部へ
③ 健康保険組合へ
などのようです。
本人からだけではなく、時には家族も一緒になってクレームを起こすケースもあると聞きます。ミスを起こした相手に対する問題提起や怒りの声でしょう。
また人事・総務や健康保険組合の方々もミスと捉えている場合が多く、採血が上手な人材配置の要望が出されるようです。いずれにしても内出血が起きている事実が、採血した人の問題と考えられているわけです。
他方、医療者は採血した部位が赤紫色に見える内出血の情報が届いた段階で、内出血の対応をすることになります。内出血部位の観察に基づいて、数日間の放置で吸収されるとの説明をする場合や、内科診察への対応をする場合があるわけです。実は、ここで医療職は内出血の理由をどうとらえているかです。
この段階で採血した人のミスと考える受診者や人事・総務や健康保険組合の方々とは、目の前の内出血対応を考える医療スタッフとの間で、認識に差があるように考えます。
さて、健康診断会場の採血の場には多くの説明文やコメントなどがある筈です。採血のあとに、一定時間採血部位を圧迫しておく説明書があると考えます。実は、多くの場合この圧迫、つまり押さえに問題があると、内出血がおこります。採血の針あとを正しく適切におさえること、そして個人差があるのですが十分な時間おさえることで問題解決すると考えられています。つまり、内出血の殆どはご本人により回避できます。理解すれば全く問題なく、解決が考えられます。
しかし、医療職は内出血が起こる問題を、人事・総務や健康保険組合の担当者への説明で、共有認識をもたれることがよいのではないでしょうか。そこで社員の方々への広報が出来るわけです。専門用語ではなく一般的な説明が望まれます。訴訟をちらつかせてのクレームもあるようですから、早い解決が必要です。
今、東北の皆様が世界から賞賛されている日本人ですから、相互理解による解決は可能と信じています。
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