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心電図からも解る肥満

「小太りの人が長生き」と言う統計結果が話題です。経験豊かな産業看護職の方にとっては、改めて言うまでもなく分かっていらした事実と思われます。しかし、健康が気になる中高年の多くは、体重を気にすることから開放される気分になったのではないでしょうか。

今回は danger  体重に関係して、体型と心電図所見との関連を紹介したいと思います。成人病健康診断・生活習慣病健診・人間ドックなどの健康診断には、心電図検査の項目が含まれています。いくつもある心電図所見の種類に、RAD・LADと記載されるものがあります。具体的には所見爛に、① RAD ② LAD ③ RADやLADの記載がない 3種類があります。そして、誰もがそのいずれかというわけです。実は、この所見がその方の体型と関係する傾向が認められますので、ここではLADについて紹介したいと思います。

多くの小太りの方では心電図所見爛にRADやLADの記載がなく、かなりの肥満の方には心電図所見欄にLADの記載がある場合が多いことが分かっています。つまり、心電図所見からも肥満が見えるわけです。

LADの日本語は左軸偏位と言います。心臓は左の胸に位置していますが、成人では多くの場合垂直よりやや左に傾いています。そして袋状の心臓の中心部分には電気的インパルスが通過する道があります。電気的インパルス1回の通過により、心臓は収縮して血液を全身に送り出すわけです。この電気的機能の軸が正常な傾きよりも左に傾いているとの意味が、左軸偏位(LAD)になります。尚、健康者の心電図判読に精通した医師は軸を明記しますが、病院などで多くの疾患者の心電図判定医では記載がない場合も見受けられます。

LAD(左軸偏位)はつまり正常な軸の位置よりも左への偏位しているわけですが、その偏位の理由として多くの場合に肥満があります。僅かな肥満ではなく、横隔膜が押し上げられたかなりの肥満者に認められるわけです。メタボの入り口ではなくはっきりメタボの方は、心電図所見欄をご覧下さい。心臓も苦しいのではないかと考えるところです。

danger メタボで将来の心臓疾患や脳梗塞を危惧することよりも、既に心臓を物理的にいじめているとでも表現したいところです

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産業看護職の皆さんにとって、肥満と心電図所見の関連は興味が沸く知見ではないでようか。実は、1986年第59回日本産業衛生学会で現21健医総研野田治代主任研究員の発表に、「身体計測値に対する心臓電気軸偏位の検討(伊勢丹健康管理センター 野田治代・大槻和夫)」があります。発表の中では、さらに加齢と高血圧との関連も示唆されていますが、機会がありましたら紹介したいと思います。乞うご期待を!

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